変革の時を間近に控えた
       残り少ない平穏の日々―


物語は、皇帝の即位記念の祝典を10日後に控えた日から始まります。 国境の戦火の届かない帝都メリナのティリエール宮。平和で穏やかで、そして何処となく退屈な愛しい日々。最後の平穏な時間をどう過ごすかで、この先の貴女の運命も変わってきます。

公人として、私人として


皇女である貴女は数々の公務をこなさなくてはなりません。本来ならば女性は政治に関われないノルディア帝国ですが、男女の差なく政治に関わり、女性の軍人も存在するスブニールの王女を母に持つ貴女は、少々特殊な存在です。帝国議会に御前会議、そして様々な場所への視察など、微力ながらも確かにノルディア帝国の為政に携わる存在なのです。特殊であるということは、味方が少ないということでもあります。スブニールから嫁いできた母、そして父もない貴女に後ろ盾はありません。サロンを開いて人を呼び個人的な人脈作ったりと、時には打算的に人と付き合わなくてはならないのです。しかしそんな貴女にも心許せる人達がいます。その人達との時間を蔑ろにすることなく、しかし甘えずに戦ってゆくことが貴女の使命なのです。

一日の流れ


議会や視察は大抵午後に行われるため、午前中は比較的自由な時間を持つことが出来ます。ティリエール宮は本宮と離宮に分かれており、貴女は離宮で生活しています。距離があるので午後の予定をこなすためには、多くの場所には立ち寄ることが出来ません。会いたい相手を決めて、行き先を決めましょう。それぞれにお気に入りの場所がありますので、何処へ行けば誰がいるかは、段々と分かるようになってきます。たとえば学士であるフレッセレイは当然のことながら図書館にいることが多いでしょうし、近衛兵団の隊長を勤めているミラベラは、普段なら団員達と一緒に訓練をしてます。兄弟や従兄弟が相手ならば部屋を訪ねることも出来ますので、覗いてみるのもいいでしょう。ただ彼らにも予定や公務がありますので、時には別の場所にいることがあります。思わぬところで珍しい人と遭遇することもありますので、色々と回ってみると新たな発見があるかもしれません。また彼らと交わす何気ない会話の中に、彼らが隠している本心が垣間見えることもあります。彼らの信頼を得るために、言葉は慎重に選びましょう。彼らは常に貴方の言葉を強く意識しています。時には本を読んでいなくては答えられないような質問も投げかけられますので、自室の本には一通り目を通しておくといいでしょう。

それぞれが抱えているもの


宮廷にいる殆どの人間がそうであるように、登場人物たちも皆それぞれに役割を担っています。彼らには彼らの目標とするところがあり、そのためには様々な形で働きかけなくてはなりません。そんな彼らの手助けをするかどうかは、貴女次第です。議会や会議で何について発言するか、何処へ視察に行くか。貴女の一言、貴女の一動は決して軽くはありません。たとえその場にいなくとも、貴女の行動の結果は必ず彼らの耳に届きます。信頼を得たいと思う相手がいるのなら、その相手が関心を持っている事柄に対して、積極的に働きかけるといいでしょう。


水面下の人間関係


宮廷には大勢の人間がいます。己の利益のために動く者、志のために努力する者。彼らは独自の人脈を使って常に何らかの形で動いています。貴女の周りの人々も同じように、彼らなりの人間関係を築いています。誰と誰が繋がっているのか知ることも、彼らの志を助けるために役立つでしょう。しかしそれは簡単に分かるものではありません。片方の信頼が高くても、もう片方の信頼が低ければ、話に加われないこともあります。彼らの言葉によく耳を傾け、行動するようにしましょう。